腹が弱い人間の日常
俺は腹が弱い。物心ついた頃からずっと。
朝、通勤電車に乗る前にトイレに行く。乗り換え駅でもう一度行く。会社に着いてまた行く。ロケ先でトイレの場所を真っ先に確認する。大事なプレゼンの前日は、食事を控える。納品直前の追い込みで徹夜すると、翌朝は確実に腹を壊す。
これが40年以上続いてきた俺の「普通」だった。
「体質だから仕方ない」と諦めていた。整腸剤なんて、正露丸を旅行に持っていく程度の認識。毎日飲むものだとは思ってもいなかった。
きっかけは「酪酸菌」という単語
腸活ブームには正直うんざりしていた。ヨーグルトを毎日食べろ、発酵食品を摂れ、食物繊維が足りない。全部やった。全部続かなかった。
転機は、たまたま読んだ論文の要約記事。酪酸菌が産生する「酪酸」が大腸のバリア機能を強化し、粘液分泌を促進するという内容だった。
ヨーグルトに含まれるビフィズス菌や乳酸菌は有名だが、酪酸菌は別物だ。大腸の上皮細胞のエネルギー源となる短鎖脂肪酸「酪酸」を直接産生する。つまり、腸の壁そのものを強くする菌。
「腸に良い菌を入れる」ではなく「腸の壁を修復する」。このアプローチの違いに引っかかった。
