用語
引退離脱慣用句更生脱退

足を洗う

/あしをあらう/

裏社会から引退・離脱することを意味する慣用句。仏教の修行僧が寺に戻る際に足を洗った故事に由来するとされる。

DATE: 2024/1/1

概要

「足を洗う」(あしをあらう)とは、裏社会・犯罪の世界から身を引き、堅気(かたぎ)の生活に戻ることを意味する慣用句である。一般社会でも「悪事から足を洗う」などと広く使われるが、元来はヤクザ社会における離脱・引退を指す表現。

語源

語源には諸説あるが、最も有力なのは仏教由来説。修行僧が外出から戻った際に、俗世の汚れを落とすために足を洗ったことから、「汚れた世界から清い世界に戻る」意味が生まれたとされる。

ヤクザ社会における「足を洗う」

正式な脱退

暴力団から正式に脱退するには、組長(親分)の許可が必要とされる。無断で組織を離れることは「逃げ」と見なされ、制裁の対象となりうる。

正式な脱退手続きには以下のような形式がある:

  • 引退 — 功労者が名誉ある形で組織を去る
  • 破門 — 組織側から追放される(不名誉)
  • 絶縁 — 一切の関係を断たれる(最も重い処分)

自らの意志で「足を洗う」場合は、引退の形を取ることが多いが、末端の構成員が辞めたいと申し出ても簡単には認められないケースがある。

社会復帰の困難

裏社会から足を洗った後の社会復帰は容易ではない。

  • 就職の困難 — 暴力団関係者であった経歴は就職活動の大きな障壁
  • 銀行口座 — 暴力団排除条項により口座開設が困難
  • 住居の確保 — 賃貸契約の審査で排除される場合がある
  • 人間関係 — 旧知の暴力団関係者との縁を完全に断つことの難しさ

近年は各都道府県の暴力団追放運動推進センターが、離脱者の社会復帰支援を行っている。

類似表現

  • 堅気に戻る — 裏社会を離れて一般市民に戻ること
  • カタギになる — 同上
  • 引退する — 組織内での正式な離脱

関連項目

  • 破門 — 組織からの追放処分
  • 絶縁 — 最も重い断絶処分
  • 堅気 — 裏社会に属さない一般人
  • ヤクザ — 足を洗う対象となる世界