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マル暴
/まるぼう/
警察の組織犯罪対策課・暴力団担当部門の俗称。「暴力団(ボウ)を丸(マル)で囲んだ」隠語に由来する。
概要
マル暴(まるぼう)とは、警察における暴力団・組織犯罪担当部門の俗称である。正式には各都道府県警察の組織犯罪対策課(そしきはんざいたいさくか)や、その内部の暴力団対策係が該当する。
名称の由来は、暴力団を意味する「暴」(ボウ)の文字を丸(○)で囲んだ記号に由来するという説が有力。警察内の書類や捜査員の隠語として使われるうちに定着した。
組織の位置づけ
警察庁レベル
- 警察庁 刑事局 組織犯罪対策部 — 全国の組対捜査を統括
- 組織犯罪対策第一課(暴力団対策)
- 組織犯罪対策第二課(薬物・銃器)
- 組織犯罪対策第三課(犯罪収益・マネーロンダリング)
- 国際組織犯罪対策課
都道府県警レベル
各都道府県警察本部の刑事部に組織犯罪対策課が設置されており、暴力団の動向把握・摘発・情報収集を担う。
捜査の特徴
長期的な情報収集
一般の刑事犯罪と異なり、マル暴の捜査は短期的な検挙よりも組織の実態把握と長期的な弱体化を重視する。特定の組員と長期間にわたって接触し、情報提供者(協力者)を育成することも業務の一部。
家宅捜索(ガサ入れ)
組事務所へのガサ入れ(家宅捜索)は、マル暴の最も代表的な強制捜査。武器・薬物・帳簿など組織の犯罪を立証する証拠品の押収を目的とする。
資産追跡
マネーロンダリング対策として、組織の資金の流れを追跡し、犯罪収益の没収を目指す。
捜査員の日常
マル暴の捜査員(刑事)は、担当地域の組事務所周辺を巡回し、組員の動向を把握する「内偵捜査」を日常的に行っている。
組員と顔なじみになることで、組内部の情報を入手することも多く、**「マル暴は組員の知り合い」**とも言われる特殊な関係性が生まれる。
| 業務 | 内容 |
|---|---|
| 内偵・張り込み | 組事務所の監視、組員の行動確認 |
| 協力者育成 | 情報提供者との関係構築 |
| 家宅捜索 | 犯罪証拠の押収 |
| 資産追跡 | 犯罪収益の調査・没収手続き |
| 暴力団排除支援 | 被害企業・個人への相談対応 |
暴力団との「持ちつ持たれつ」論争
マル暴と暴力団の関係については、かつて「持ちつ持たれつ」の側面があったとも言われる。暴力団が存在することで犯罪の一元管理が可能だという考え方や、組からの情報提供を得やすいという実務上の側面があった。
しかし1992年の暴対法施行以降、徹底的な摘発・弱体化方針に転換し、こうした「共存」的な側面は公式には否定されている。