法
法律
組織犯罪処罰法
/そしきはんざいしょばつほう/
1999年施行。組織的犯罪の処罰・犯罪収益の没収・マネーロンダリング規制を定めた法律。通称「組対法」。
概要
組織犯罪処罰法の正式名称は「組織的な犯罪の処罰及び犯罪収益の規制等に関する法律」である。1999年8月18日に公布され、2000年2月1日に施行され、通称「組対法」(そたいほう)と呼ばれる。
この法律は主に以下の3つを目的としている:
- 組織的犯罪の加重処罰 — 集団的・組織的に行われた犯罪に対して刑を重くする
- 犯罪収益の没収・追徴 — 組織犯罪によって得た利益を剥奪する
- マネーロンダリング(資金洗浄)の処罰 — 犯罪収益を合法資金に見せかける行為を規制する
制定の背景
1990年代、バブル崩壊後の日本では暴力団・組織犯罪が急速に巧妙化・国際化した。また、国際的にもFATF(Financial Action Task Force:金融活動作業部会)によるマネーロンダリング対策の国際基準策定が進み、日本も国内法整備を迫られた。暴対法(1992年)では対応しきれない資金規制を補完する形で制定された。
主な規定
組織的犯罪の加重処罰
団体の活動として、または団体の利益のために行われた犯罪行為に対し、通常の刑罰より重い刑を科す。
| 罪名 | 通常刑 | 組対法適用時 |
|---|---|---|
| 詐欺罪 | 10年以下 | 1年以上の有期懲役 |
| 恐喝罪 | 10年以下 | 1年以上の有期懲役 |
| 贈収賄 | 5〜15年 | 1年以上の有期懲役 |
マネーロンダリング罪
犯罪収益の出所を隠匿・仮装する行為、または犯罪収益を処分・収受する行為を処罰する。
法定刑: 5年以下の懲役または300万円以下の罰金(またはその両方)
犯罪収益の没収・追徴
犯罪によって得た財産(犯罪収益)は原則として没収・追徴される。これにより「犯罪はしても儲けは残る」という状況を防ぐことが目的。
通信傍受(盗聴)の合法化
通信傍受法(1999年同時制定)と連動し、組織犯罪捜査のための通信傍受が一定条件のもとで認められるようになった。これは日本における実質的な合法的盗聴の始まりである。
2017年改正:共謀罪の創設
2017年に改正され、「テロ等準備罪」(いわゆる共謀罪)が追加された。
- 277種類の重大犯罪について、実行前の合意段階で処罰可能となった
- 組織犯罪集団の構成員が対象
- プライバシー侵害・市民活動への影響を懸念する批判も多い
マネーロンダリングの具体的手口との対比
| 手口 | 規制内容 |
|---|---|
| フロント企業への資金移動 | 仮装・隠匿として処罰対象 |
| 不動産購入による資金洗浄 | 犯罪収益として没収対象 |
| 海外送金・タックスヘイブン活用 | 犯罪収益移転防止法と連動 |
| 仮想通貨利用 | 2019年改正以降、規制対象に追加 |