総会屋
企業の株主総会に介入し、議事の妨害や円滑な進行の代行を通じて金銭を得る者。企業と裏社会の接点として戦後日本に特有の存在。
概要
総会屋(そうかいや)とは、企業の株主総会に出席し、議事を妨害する(あるいは妨害を防ぐ)ことを通じて企業から金銭・利益を引き出す者を指す。正式には「特殊株主」とも呼ばれる。
株主としての権利を悪用した独特の犯罪形態であり、戦後の日本企業社会に特有の存在として知られる。
手口
総会屋の活動には、大きく二つのパターンがある。
妨害型
企業のスキャンダル・不祥事・経営上の問題を調べ上げ、株主総会の場でそれを暴露すると脅して金銭を要求する。企業が支払いを拒否すれば、実際に総会で質問攻めにし、議事を混乱させる。
与党型(安定株主型)
逆に、企業側から依頼を受けて株主総会の「シャンシャン総会」(異議なく短時間で終了する総会)を実現するために動く。反対派の株主や妨害型総会屋を威圧・牽制し、議事の円滑な進行を確保する。企業から「お礼」として利益供与を受ける。
法規制
1981年(昭和56年)の商法改正で「利益供与の禁止」が明文化され、企業が総会屋に金銭を渡すこと自体が違法となった。さらに1997年の改正で罰則が強化され、利益を供与した企業側も厳しく処罰されるようになった。
これにより総会屋の数は激減し、2000年代以降はかつての影響力を大きく失っている。
企業社会との関係
総会屋の存在が長く温存された背景には、日本企業の「事なかれ主義」がある。株主総会でスキャンダルを暴露されることを恐れた企業が、「穏便に済ませたい」として自ら総会屋に接近し、利益供与を行っていた構図である。
1997年には野村證券が総会屋への利益供与で摘発されたほか、第一勧業銀行(現・みずほ銀行)も総会屋への巨額融資が発覚し、頭取が逮捕される事態に発展した。大企業と総会屋の癒着が白日の下にさらされ、大きな社会問題となった。