語
用語
筋
/すじ/
任侠社会における道義・筋道を意味する言葉。「筋を通す」とは、仁義や礼儀に則った正しい手順を踏むこと。
概要
筋(すじ)とは、任侠社会において守るべき道義や正しい手順を指す言葉である。「筋を通す」「筋が通っている」「筋を違える」など、様々な形で用いられ、暴力団社会における行動規範の根幹を成す概念である。
「筋を通す」とは
任侠社会で「筋を通す」とは、物事を進める際に正しい手順と礼儀を踏むことを意味する。具体的には以下のような場面で用いられる。
他組織との交渉
他の組織の縄張りで活動する際は、事前にその組織に挨拶し、許可を得ることが「筋」とされる。これを怠ると「筋を違えた」として重大なトラブルの原因となる。
組内の序列
組内で何か事を起こす際は、直属の上位者に報告・相談してから行動することが求められる。頭越しに上位の幹部に直接話を持っていくことは「筋違い」として非難される。
金銭のやり取り
シノギ(稼業)で得た利益の分配や上納金の支払いにおいても、定められた手順に従うことが「筋」である。
筋と面子
「筋」は「面子」(めんつ)と密接に関連する。筋を通さないことは、相手の面子を潰すことと同義であり、それは最大級の侮辱とされる。面子を潰された側は「落とし前」を求めることになり、場合によっては抗争に発展する。
一般社会への浸透
「筋を通す」という表現は、一般社会でも広く使われている。ビジネスにおける根回しや事前相談の文化は、任侠社会の「筋」の概念と通底するものがあるとも言える。
ただし、一般社会での「筋を通す」が社会的なマナーの範疇であるのに対し、任侠社会における「筋」の不履行は暴力的な制裁につながり得る点で、その重みは根本的に異なる。