語
用語
盃
/さかずき/
ヤクザ組織において親分と子分の間で交わす盃事(さかずきごと)の儀式。これにより正式な親子関係・組への帰属が成立する。
概要
盃(さかずき)とは、ヤクザ・侠客の世界において、親分(おやぶん)と子分(こぶん)の間で日本酒を注ぎ合って飲む儀式——盃事(さかずきごと)——および、その儀式で使われる杯(さかずき)の器を指す。
この儀式を行うことで、当事者間に正式な「親子関係」が成立し、子分は組の一員として公認される。逆に言えば、盃を交わさなければ正式な構成員とは認められず、組の看板(かんばん)を背負うことができない。
儀式の内容
盃事の形式は組織・地域・格によって異なるが、一般的な流れは以下の通りである:
- 場の設定: 組の事務所や料亭などに幹部・関係者が集まる
- 仲人(なこうど)の紹介: 当事者を取り次いだ仲人が双方を紹介する
- 盃の交換: 親分から子分に、そして子分から親分に盃を渡し、日本酒を飲み交わす
- 口上と誓い: 「義理・人情を重んじ、親分に従います」旨の誓いの言葉
- 披露: 列席した幹部・関係者に対し、新しい子分として披露される
盃の種類・格
| 種類 | 内容 |
|---|---|
| 親子の盃 | 親分と子分の間で交わす基本の盃 |
| 兄弟の盃 | 同格の者同士が義兄弟の関係を結ぶ盃 |
| 縁組の盃 | 異なる組同士が同盟・友好関係を結ぶ際の盃 |
| 手打ちの盃 | 抗争終結・和解の際に交わされる盃 |
盃の器の大きさも「格」を示し、大きな盃を使うほど重要な関係とされる。
破門・絶縁との関係
盃事によって結ばれた親子関係は、**破門(はもん)や絶縁(ぜつえん)**によって解消される。破門は親分が子分を組から追い出すことで、絶縁は破門より重い最高処分であり、以後いかなる組織にも属せないとされる。
現代における盃
暴対法・暴排条例の強化により、盃事を公式に行うことのリスクが増大している。現代では簡略化・形式化したり、秘密裏に行われるケースが多い。また、正式な盃を交わさず「準構成員」として組織周辺に置かれる者の増加も指摘されている。