犯罪
特殊詐欺役割分担闇バイト振り込め詐欺

出し子・受け子・掛け子

/だしこ・うけこ・かけこ/

特殊詐欺(振り込め詐欺)において、それぞれ「現金の引き出し役」「荷物の受取役」「電話で騙す役」を担う実行役の名称。若者が闇バイトで担わされるケースが多い。

DATE: 2024/1/1

概要

出し子(だしこ)・受け子(うけこ)・掛け子(かけこ)は、特殊詐欺振り込め詐欺)の組織において、それぞれ異なる役割を担う実行役の名称である。

特殊詐欺グループは、リクルーター・指示役・通帳売買役・出し子・受け子・掛け子など、多くの役割に分業化された組織体制を取り、各実行役は互いの素性を知らないよう「タコツボ型」で管理されることが多い。

各役割の説明

掛け子(かけこ)

役割: 被害者に電話をかけ、息子や孫を装って金銭を要求する「オペレーター」役。

  • コールセンター形式で組織化されていることが多い
  • 海外(フィリピン等)に拠点を置くケースも増加
  • オレオレ詐欺」「還付金詐欺」などのスクリプトに従い電話する

受け子(うけこ)

役割: 被害者の自宅を訪問し、現金・キャッシュカードを直接受け取る「受取役」。

  • 被害者と直接対面するため、最も逮捕リスクが高い
  • 「弁護士の使い」「警察の者」「銀行の者」などを装う
  • 闇バイトで雇われた若者が担うケースが最も多い

出し子(だしこ)

役割: 騙し取ったキャッシュカードを使い、ATMから現金を引き出す「引き出し役」。

  • 複数のATMを短時間でまわって引き出す
  • カメラに映るリスクがある
  • 引き出した現金を「運び屋」に渡す

役割の連鎖

指示役(上位者)
    ↓
掛け子 → 被害者に電話・騙す
    ↓
受け子 → 被害者宅でカード・現金を受け取る
    ↓
出し子 → ATMで引き出し
    ↓
運び屋 → 現金を組織に届ける
    ↓
指示役(資金回収)

闇バイトとの関係

近年、出し子・受け子・掛け子の実行役を「闇バイト」でリクルートするケースが急増している。

SNS・求人サイトで「高額バイト」「即日払い」などを謳った募集で集められた若者が、「やめたら個人情報をばらす」と脅されて逃れられない状況に追い込まれるケースが問題となっている。

リクルートの手口

  1. SNSで「高収入の仕事」として募集
  2. 個人情報(顔写真・住所・家族情報など)を提出させる
  3. 実行役として使い始める
  4. 「辞めたら情報をばらす」と脅して継続させる

法的責任

実行役(受け子・出し子・掛け子)であっても、詐欺罪窃盗罪・不正競争防止法(不正アクセス)などの共犯として重い刑事責任を問われる。「闇バイトだから軽い罪」という認識は誤りであり、懲役10年以上の実刑判決が下るケースも多い。

関連用語

  • 特殊詐欺 - 出し子・受け子・掛け子が参加する詐欺の総称
  • 闇バイト - 実行役をリクルートする手口
  • 振り込め詐欺 - 特殊詐欺の代表的手口
  • 半グレ - 特殊詐欺グループを運営することが多い組織