罪
犯罪
出し子・受け子・掛け子
/だしこ・うけこ・かけこ/
特殊詐欺(振り込め詐欺)において、それぞれ「現金の引き出し役」「荷物の受取役」「電話で騙す役」を担う実行役の名称。若者が闇バイトで担わされるケースが多い。
概要
出し子(だしこ)・受け子(うけこ)・掛け子(かけこ)は、特殊詐欺(振り込め詐欺)の組織において、それぞれ異なる役割を担う実行役の名称である。
特殊詐欺グループは、リクルーター・指示役・通帳売買役・出し子・受け子・掛け子など、多くの役割に分業化された組織体制を取り、各実行役は互いの素性を知らないよう「タコツボ型」で管理されることが多い。
各役割の説明
掛け子(かけこ)
役割: 被害者に電話をかけ、息子や孫を装って金銭を要求する「オペレーター」役。
- コールセンター形式で組織化されていることが多い
- 海外(フィリピン等)に拠点を置くケースも増加
- 「オレオレ詐欺」「還付金詐欺」などのスクリプトに従い電話する
受け子(うけこ)
役割: 被害者の自宅を訪問し、現金・キャッシュカードを直接受け取る「受取役」。
出し子(だしこ)
役割: 騙し取ったキャッシュカードを使い、ATMから現金を引き出す「引き出し役」。
- 複数のATMを短時間でまわって引き出す
- カメラに映るリスクがある
- 引き出した現金を「運び屋」に渡す
役割の連鎖
指示役(上位者)
↓
掛け子 → 被害者に電話・騙す
↓
受け子 → 被害者宅でカード・現金を受け取る
↓
出し子 → ATMで引き出し
↓
運び屋 → 現金を組織に届ける
↓
指示役(資金回収)
闇バイトとの関係
近年、出し子・受け子・掛け子の実行役を「闇バイト」でリクルートするケースが急増している。
SNS・求人サイトで「高額バイト」「即日払い」などを謳った募集で集められた若者が、「やめたら個人情報をばらす」と脅されて逃れられない状況に追い込まれるケースが問題となっている。
リクルートの手口
- SNSで「高収入の仕事」として募集
- 個人情報(顔写真・住所・家族情報など)を提出させる
- 実行役として使い始める
- 「辞めたら情報をばらす」と脅して継続させる
法的責任
実行役(受け子・出し子・掛け子)であっても、詐欺罪・窃盗罪・不正競争防止法(不正アクセス)などの共犯として重い刑事責任を問われる。「闇バイトだから軽い罪」という認識は誤りであり、懲役10年以上の実刑判決が下るケースも多い。