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釈放保護観察刑事政策更生

仮釈放

/かりしゃくほう/

刑期満了前に条件付きで釈放される制度。刑務所での行状が良好な場合に認められ、残刑期間は保護観察の対象となる。

DATE: 2024/1/1

概要

仮釈放(かりしゃくほう)とは、懲役・禁固の刑に服している受刑者が、刑期満了前に条件付きで釈放される制度である。刑事政策上は「改善更生」と「社会復帰」の促進を目的としており、刑務所での良好な行状が認定の条件となる。

裏社会・受刑者の間では単に「仮出所」(かりしゅっしょ)、「シャバに出る」とも表現される。

仮釈放の要件

刑法第28条の規定により、以下の条件を満たした場合に仮釈放が認められる:

  1. 有期刑: 刑期の3分の1以上を経過していること
  2. 無期刑: 10年以上を経過していること
  3. 行状が良好: 刑務所内での素行・作業態度・反省の態度が認められること
  4. 改善更生の可能性: 再犯リスクが低いと判断されること

審査機関

仮釈放の決定は地方更生保護委員会(法務省管轄)が行う。

保護観察

仮釈放者は残刑期間中、保護観察(ほごかんさつ)の対象となる。

遵守事項

区分 内容
一般遵守事項 住居の届出、保護司への定期報告、就労義務
特別遵守事項 特定の場所・人物への接触禁止(暴力団関係者など)

違反した場合は仮釈放が取り消され、残刑期間を刑務所で服役することになる。

暴力団員の仮釈放

暴力団員の場合、仮釈放の審査では以下の点が厳しく問われる:

  • 組への帰属継続の意思がないか: 脱退意思が示されているか
  • 暴力団関係者との接触禁止: 特別遵守事項として設定されることが多い
  • 就業先の確認: 暴力団フロント企業への就職は不可

組員が「仮出所」した際、組が関連する事業所に迎え入れるのは特別遵守事項違反となり得る。

仮釈放率の推移

日本の仮釈放率(対新入所者比)は国際的に低い水準にある。

年代 仮釈放率
1960年代 約60〜70%
1990年代 約50%
2020年代 約55〜60%

欧米諸国(70〜90%台)と比べ低率であり、日本の刑事政策における「処罰重視」の傾向が反映されているとも言われる。

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