語
用語
ムショ
/むしょ/
刑務所を意味する裏社会・俗語。「無所」「務所」など漢字表記は複数あるが、元は「刑務所」の省略から生まれた隠語。
概要
ムショ(むしょ)とは、刑務所(けいむしょ)を指す俗語・隠語である。裏社会・犯罪者の間で古くから使われてきた言葉で、現在では一般にも広く浸透している。
漢字では「務所」と書くことが多いが(「刑務所」の後ろ2文字)、「無所」「霧所」など諸説の当て字が存在する。刑務所という正式名称の省略・変形から生まれた言葉とされている。
日本の刑事施設の種類
「ムショ」と呼ばれるのは主に刑務所だが、広義では拘置所や少年刑務所も含む場合がある。
| 施設 | 対象者 |
|---|---|
| 刑務所 | 懲役・禁固刑の受刑者(成人) |
| 少年刑務所 | 26歳未満の若年受刑者 |
| 拘置所 | 未決拘禁者(裁判中の被告人等) |
| 少年院 | 少年法による保護処分の対象者 |
| 留置場 | 逮捕直後の短期拘禁 |
生活実態
一日のスケジュール(例)
| 時間 | 内容 |
|---|---|
| 6:30 | 起床・清掃 |
| 7:00 | 朝食 |
| 8:00 | 作業(刑務作業) |
| 12:00 | 昼食 |
| 13:00 | 作業再開 |
| 16:30 | 入浴・余暇 |
| 17:30 | 夕食 |
| 21:00 | 就寝 |
刑務作業
受刑者は義務として刑務作業(けいむさぎょう)を行う。木工・印刷・縫製・農作業・厨房業務など様々な種類があり、作業報奨金(月数百円〜数千円程度)が支給される。
暴力団受刑者の実態
ヤクザ・暴力団関係者にとって、ムショは「ホーム」「道場」とも呼ばれる。
- 人脈形成: 組を超えた犯罪者ネットワークの構築
- 情報交換: 組織の内情・手口の共有
- 序列確認: どの組の誰が服役中かという「箔」になる側面も
「**シャバより中(ムショの中)の方が楽」**という声も聞かれるほど、社会的排除を受けた組員にとって刑務所が一種の「居場所」になってしまうケースも報告されている。
裏社会における関連表現
| 表現 | 意味 |
|---|---|
| ムショに入る | 収監される・刑務所生活が始まる |
| ムショ帰り | 出所したばかりの人物 |
| ムショ飯 | 刑務所の食事 |
| ムショ仲間 | 同じ刑務所で服役した仲間 |
| 長ムショ | 長期刑(10年以上など)のこと |
| シャバに出る | 出所して社会に戻ること |
出所後の社会復帰の難しさ
元受刑者(前科者)が社会に戻る際には多くの障壁がある。
- 就職難: 前科があると採用を断る企業が多い
- 住居確保の困難: 賃貸契約で断られるケースが多い
- 再犯リスク: 社会復帰できず再び犯罪に手を染めるケースが多い
- 暴力団への逆戻り: 組に戻ることが「最も生きやすい選択」になってしまう
法務省は「更生保護制度」(保護司・更生保護施設など)を設けているが、根本的な解決には至っていないのが実情である。