罪
犯罪
危険ドラッグ
/きけんどらっぐ/
法規制をすり抜けるために化学構造を改変した合成薬物の総称。かつて「脱法ハーブ」「合法ドラッグ」と呼ばれ、重大事故を引き起こした。
概要
危険ドラッグ(きけんドラッグ)とは、麻薬・覚醒剤・大麻などの規制薬物の化学構造を僅かに改変し、法律の規制対象外となるよう設計された合成薬物の総称。
かつては「脱法ハーブ」「合法ドラッグ」「デザイナーズドラッグ」などと呼ばれていたが、2014年に厚生労働省と警察庁が合同で「危険ドラッグ」という呼称に統一した。
歴史
脱法ドラッグの登場
2000年代後半、規制薬物に似た作用を持ちながら法律で規制されていない薬物が「合法ドラッグ」として流通し始めた。「お香」「ハーブ」「アロマ」などの名目で販売され、「合法だから安全」という誤った認識が広まった。
池袋暴走事件
2014年6月、東京・池袋で危険ドラッグを吸引した男が車を暴走させ、通行人1人が死亡、複数人が重軽傷を負う事件が発生。この事件を契機に社会問題として広く認知され、規制強化が急速に進んだ。
規制強化
2014年以降、政府は「包括指定」制度を導入。特定の化学構造を持つ物質群を一括して規制対象とすることで、構造を僅かに変えるだけで規制を逃れる「いたちごっこ」に対応した。
危険性
危険ドラッグの最大の問題は、成分が不明で安全性が全く担保されていないこと。
- 規制薬物よりも強い作用を持つケースがある
- 同じ製品名でもロットごとに成分が異なる
- 過剰摂取量の基準がない
- 解毒法が確立されていない
意識喪失、痙攣、呼吸困難、心停止など重篤な健康被害が報告されており、死亡例も少なくない。
暴力団との関係
危険ドラッグの製造・販売には暴力団や半グレグループが深く関与してきた。
- 製造拠点の運営
- 販売店(ヘッドショップ)の経営
- インターネットでの販売ルートの構築
- 末端の売人の管理
覚醒剤や大麻と比べて当初は摘発リスクが低かったため、暴力団にとって効率的なシノギとなっていた。
現在
規制強化と取り締まりの結果、街中の販売店はほぼ壊滅した。しかし、インターネットやSNSを通じた地下流通は続いており、完全な根絶には至っていない。