語
用語
盃返し
/さかずきがえし/
ヤクザ組織を正式に脱退する際に行う儀式。かつて親分から授けられた盃(組盃)を返すことで、擬似家族関係の解消を表す。
概要
盃返し(さかずきがえし)とは、ヤクザ・暴力団組織を正式に脱退する際に行う儀式のことである。入組時に親分(組長)から授けられた「組盃」(くみさかずき)を返すことで、親分・子分関係(擬似家族関係)の解消を正式に申し出る行為とされる。
組内部での「脱退の申し出」という意味合いが強く、組が認めた場合に初めて正式な脱退となる。組が認めない場合や、組員が一方的に去ろうとする場合は、「逃げ」「裏切り」として制裁(はもん・ぜつえん)の対象になることもある。
儀式の流れ
脱退の困難さ
現実には「盃返し」によるスムーズな脱退は容易ではない。
| 問題 | 内容 |
|---|---|
| 脱退金の要求 | 「迷惑料」「解散金」として高額の金銭を求められるケース |
| 恫喝・脅迫 | 「足を洗わせない」と脅迫されることがある |
| 家族への圧力 | 家族を巻き込んだ圧力がかかるケース |
| 追跡・監視 | 脱退後も組に行動を監視されるケース |
これらを踏まえ、行政・警察・NPOによる暴力団離脱支援プログラムも整備されてきた。
暴排条例との連動
暴力団排除条例の施行により、元組員(脱退後も一定期間)に対する社会的排除(銀行口座・不動産契約・就職など)が続くため、脱退後の社会復帰が困難になるという問題も生じている。
一方で「きっちり盃返しをして脱退した」という事実が、社会復帰への第一歩として評価されるケースもある。
対比:破門・絶縁
盃返し(本人からの脱退申請)と対比される処分として、組側から一方的に行う「破門」「絶縁」がある。
| 区分 | 主体 | 内容 |
|---|---|---|
| 盃返し | 組員自身 | 本人からの脱退申請 |
| 破門 | 組 | 組側からの除名処分(再加入の余地あり) |
| 絶縁 | 組 | 最も重い除名処分(業界全体から排除) |