用語
脱退儀式組織離脱

盃返し

/さかずきがえし/

ヤクザ組織を正式に脱退する際に行う儀式。かつて親分から授けられた盃(組盃)を返すことで、擬似家族関係の解消を表す。

DATE: 2024/1/1

概要

返し(さかずきがえし)とは、ヤクザ暴力団組織を正式に脱退する際に行う儀式のことである。入組時に親分(組長)から授けられた「組盃」(くみさかずき)を返すことで、親分・子分関係(擬似家族関係)の解消を正式に申し出る行為とされる。

組内部での「脱退の申し出」という意味合いが強く、組が認めた場合に初めて正式な脱退となる。組が認めない場合や、組員が一方的に去ろうとする場合は、「逃げ」「裏切り」として制裁(はもん・ぜつえん)の対象になることもある。

儀式の流れ

  1. 脱退の意思を幹部若頭など)に相談
  2. 正式な脱退申請として、親分への面会を求める
  3. 親分の前で盃を返す(または返すという意思を示す)
  4. 親分が了承すれば脱退成立
  5. 離縁状・証書などが発行される場合もある

脱退の困難さ

現実には「盃返し」によるスムーズな脱退は容易ではない。

問題 内容
脱退金の要求 「迷惑料」「解散金」として高額の金銭を求められるケース
恫喝・脅迫 「足を洗わせない」と脅迫されることがある
家族への圧力 家族を巻き込んだ圧力がかかるケース
追跡・監視 脱退後も組に行動を監視されるケース

これらを踏まえ、行政・警察・NPOによる暴力団離脱支援プログラムも整備されてきた。

暴排条例との連動

暴力団排除条例の施行により、元組員(脱退後も一定期間)に対する社会的排除(銀行口座・不動産契約・就職など)が続くため、脱退後の社会復帰が困難になるという問題も生じている。

一方で「きっちり盃返しをして脱退した」という事実が、社会復帰への第一歩として評価されるケースもある。

対比:破門・絶縁

盃返し(本人からの脱退申請)と対比される処分として、組側から一方的に行う「破門」「絶縁」がある。

区分 主体 内容
盃返し 組員自身 本人からの脱退申請
破門 組側からの除名処分(再加入の余地あり)
絶縁 最も重い除名処分(業界全体から排除)

関連用語

  • - 入組時に授けられる盃(盃返しで返す対象)
  • 破門 - 組から除名される処分
  • 絶縁 - 最も重い除名・業界追放処分
  • 親分・子分 - 盃返しで解消される擬似家族関係