スピード
覚醒剤(メタンフェタミン)の代表的な俗称。中枢神経を強力に刺激する作用から「スピードが出る」という意味で名付けられた隠語。
概要
スピード(Speed)とは、覚醒剤(メタンフェタミン・アンフェタミン)を指す代表的な隠語のひとつである。中枢神経を強く刺激し、「頭の回転が速くなる」「体が軽くなる」といった効果があることから、「スピードが出る薬物」という意味で名付けられた。
日本ではシャブとともに最も広く使われる覚醒剤の俗称であり、警察・報道・裏社会いずれにおいても頻繁に用いられる。
語源と由来
「スピード」という呼称は、英語圏で覚醒剤がspeedと呼ばれることに由来する。アメリカのストリートカルチャーにおいて「精神的・肉体的なスピードを上げる薬物」という意味で1960年代頃から定着し、日本にもそのまま輸入された。
覚醒剤は以下のような作用があるため、「スピード」という名称が定着した:
- 強い覚醒作用(眠気の消失)
- 疲労感の一時的な消失
- 思考の加速感(実際は錯覚)
- 行動の活発化
日本における使用状況
日本では戦後、「ヒロポン」という商品名で流通した時期もあったが、1950年代の社会問題化と**覚醒剤取締法**制定以降は、完全に違法薬物として規制されてきた。
現在も覚醒剤はヤクザ組織や半グレグループの主要な資金源であり、「スピード」という隠語は密売・使用の現場で広く用いられる。
| 俗称 | 使用地域・文脈 |
|---|---|
| スピード | 広範に使用される一般的な隠語 |
| シャブ | 日本で最も一般的な俗称 |
| アイス | 高純度結晶を指す |
| エス | 「S」の略称 |
危険性と依存性
覚醒剤は極めて強い依存性を持ち、継続使用により以下のような深刻な健康被害をもたらす:
- 覚醒剤精神病(幻覚・妄想)
- 認知機能の低下
- 歯の崩壊(通称:メス・マウス)
- 心臓・血管系への深刻な負担
- 社会生活の崩壊
「スピードが出る」という軽快なイメージとは裏腹に、実際には脳と身体を破壊する極めて危険な薬物である。
密売と取締り
覚醒剤密売の現場では、「スピード」「アイス」「エス」などの隠語が頻繁に使われる。SNS・闇サイトでの販売広告でも、これらの隠語が用いられることが多い。
警察は通信傍受・おとり捜査・密告などを通じて密売ルートの摘発を進めているが、SNSを通じた個人間売買の増加により、取締りの困難化が課題となっている。