語
用語
ドス
/どす/
匕首・短刀など、刃渡りの短い刃物を指す裏社会の隠語。ヤクザが抗争・威嚇・護身用に携帯してきた伝統的な武器。
概要
ドス(どす)とは、匕首(あいくち)・短刀など、比較的刃渡りの短い刃物を指す裏社会・ヤクザの隠語である。「ドスを抜く」「ドスで脅す」などの形で使われる。
語源については「どすん」という突き刺す際の擬音語から派生したという説や、ポルトガル語・オランダ語由来の説など複数あるが、明確な語源は不明である。
歴史
江戸時代〜明治
博徒(ばくと)・侠客(きょうかく)の世界では、匕首(あいくち:鍔のない短刀)や脇差(わきざし)が護身・威嚇の道具として使われた。「任侠」の世界では刀剣類の携帯が「男の証」とされた時代もあった。
戦後〜現代
銃刀法の整備により刃物の所持規制が厳格化。それでも組の抗争・示威行動においてドスは使われ続け、1950〜60年代の出入りでは日本刀・ドスが主要な武器だった。
その後、拳銃(チャカ)が普及するにつれてドスの重要性は相対的に低下したが、緊急時の護身用・威嚇用として今なお使われる。
法的規制
銃砲刀剣類所持等取締法(銃刀法)により:
- 刃渡り6cm以上の刃物は正当な理由なく携帯禁止
- 刃渡り15cm以上の刃物は所持自体が制限される
- 匕首・短刀類は「刀剣類」として厳格に規制
違反した場合、2年以下の懲役または30万円以下の罰金。
「ドス」を使った表現
裏社会では「ドス」を含む慣用表現が多い。
| 表現 | 意味 |
|---|---|
| ドスを抜く | 刃物を取り出して構える |
| ドスを効かせる | 低く凄んだ声や態度で威圧する(転じて) |
| ドスのきいた声 | 低く威圧感のある声(一般語にも転用) |
| ドスをひらめかせる | 刃物を見せて脅す |
特に「ドスのきいた声」は、一般的な日本語表現として現在も使われており、「迫力のある低い声」を意味する慣用句として定着している。