語
用語
出入り
/でいり/
ヤクザ・侠客組織同士が行う抗争・武力衝突のこと。縄張り争い・利益対立・面子をめぐる争いなどが引き金となり、刃傷沙汰・銃撃戦に発展することもある。
概要
出入り(でいり)とは、ヤクザ・侠客の組同士が行う武力的な抗争・衝突を指す俗語である。一般的な「出入り」(出入り業者、出入り口など)とは全く異なる意味で使われる裏社会固有の表現で、組同士の直接的な戦闘行為を表す。
語源
「出入り(でいり)」という言葉が抗争を意味するようになった語源については諸説ある。江戸時代の博徒の世界で、縄張り内に相手が「出入りする(無断で侵入する)」ことへの応戦から「出入りを起こす」という表現が生まれたとする説が有力である。
出入りの原因
出入りが発生する主な原因:
| 原因 | 内容 |
|---|---|
| 縄張り侵害 | 相手の縄張り内で無断にシノギを行う |
| みかじめ料の奪い合い | 同一地域のみかじめ料収入をめぐる争い |
| 構成員同士のトラブル | 個人的な喧嘩・女性問題が組の問題に発展 |
| 義理・面子 | 相手組の言動が自組の名誉を傷つけた |
| 薬物ルートの争奪 | 覚醒剤密売ルートをめぐる競合 |
| 抗争の連鎖 | 過去の抗争への仕返し(報復)で連鎖的に拡大 |
出入りの形態
刃傷沙汰(にんじょうざた)
刀・短刀・刃物を使った衝突。かつては刀による斬り合いが典型的な出入りの形態であった。
銃撃戦
拳銃・散弾銃などを使った銃撃。戦後から高度成長期にかけて多発し、多数の死傷者を出す大規模抗争に発展したケースもある。1960〜80年代の山口組を中心とした全国規模の抗争が代表例。
鉄砲玉(てっぽうだま)
特定の人物(相手組の幹部など)を狙った刺客(しかく)。自組の構成員の中でも特攻的な性格の者が選ばれ、覚悟の上で相手への攻撃に向かう。
現代の出入り
暴対法・暴排条例の強化以降、公然たる銃撃戦・刃傷沙汰を伴う大規模な出入りは激減している。現代の抗争は:
- 嫌がらせ・脅迫の連発
- 法的手段(訴訟・告発)を使った戦い
- 経済的な締め付け(シノギの妨害)
など、「見えない抗争」の形をとることが増えている。