人
人物
町井久之
/まちいひさゆき/
東声会を率いた在日韓国人の暴力団組長。東京・銀座を拠点に一大勢力を築き、日韓の政財界にも人脈を持った異色の人物。
概要
町井久之(まちい ひさゆき、本名:鄭建永、1923年〜2002年)は、東京を拠点とする暴力団「東声会」の会長を務めた人物。在日韓国人として戦後の混乱期に頭角を現し、銀座・赤坂を中心に飲食業・不動産業で一大勢力を築いた。
日本の暴力団組長でありながら、韓国の政財界とも太いパイプを持ち、日韓間の裏のフィクサーとしても活動した異色の経歴を持つ。
経歴
戦後の東京
終戦直後の東京で、在日韓国人コミュニティを背景に勢力を拡大。闇市の統制から始まり、銀座の飲食店・キャバレーの経営に進出した。
東声会の隆盛
1960年代、町井が率いる東声会は構成員1,500人以上を擁する東京最大級の暴力団に成長。銀座・赤坂・六本木の繁華街に強い影響力を持った。
日韓のパイプ役
町井は韓国の朴正煕政権との関係を構築し、日韓国交正常化(1965年)の裏側で暗躍したとも言われる。韓国の政界・財界との人脈を活かし、日韓間のビジネスにおける仲介者としても機能した。
晩年
暴力団対策法の強化や組織の衰退に伴い、表舞台から退いた。2002年に死去。
人物像
町井は「知性派ヤクザ」とも評された。暴力に頼らない交渉術、政財界との幅広い人脈、国際的な視野を持ち、従来の暴力団組長のイメージとは一線を画する存在であった。
一方で、その活動は裏社会と表社会の境界を曖昧にし、暴力団と政治の癒着構造を助長した側面も指摘される。