抗
抗争
広島抗争
/ひろしまこうそう/
広島県を舞台に繰り返された暴力団間の大規模抗争の総称。「仁義なき戦い」の実話モデルとなった血みどろの抗争史。
概要
広島抗争(ひろしまこうそう)は、1950年代から1970年代にかけて広島県(主に広島市・呉市)を舞台に発生した、複数の暴力団間の大規模抗争の総称。
この抗争の実態は、飯干晃一のノンフィクション「仁義なき戦い」に詳述され、深作欣二監督による同名映画シリーズ(1973年〜)の原作となった。日本の暴力団抗争史において最も有名な事例の一つ。
背景
戦後の広島
原爆投下後の広島は、焼け野原からの復興過程で闇市が形成された。この闇市の利権を巡って、複数の暴力団(博徒系・的屋系・戦後の愚連隊出身者など)が激しく対立した。
複雑な勢力図
広島の暴力団抗争の特徴は、二者間の単純な対立ではなく、複数の勢力が離合集散を繰り返す複雑な構図にある。同盟・裏切り・寝返りが日常的に行われ、「昨日の味方は今日の敵」という状況が続いた。
主な抗争
第一次広島抗争(1950年代)
呉市を中心に、地元の博徒系組織と、進駐軍関連の利権を狙う勢力が衝突。銃撃・殺傷事件が頻発した。
第二次広島抗争(1960年代)
広島市内で山口組系列の進出を巡る対立が激化。地元組織と山口組系の間で大規模な抗争が展開された。
第三次〜第四次(1960年代後半〜70年代)
勢力図がさらに複雑化し、短期間に多数の殺人事件が発生。鉄砲玉(使い捨ての襲撃者)が投入され、若い構成員が命を落とした。
「仁義なき戦い」
広島抗争の実態を描いた映画「仁義なき戦い」(1973年)は、それまでの任侠映画が描いてきた美化されたヤクザ像を根底から覆した。
義理も人情もない、裏切りと暴力の連鎖。使い捨てにされる若者たち。この生々しい描写は「実録路線」と呼ばれ、日本映画に革命を起こした。