カンパ
暴力団・政治団体などにおける献金・上納金のこと。組織の資金源として下部組織や構成員が上部組織に収める金銭を指す。
概要
カンパとは、暴力団組織や政治団体などにおいて、下部組織や構成員が上部組織・幹部に対して収める献金・上納金のことを指す。本来は「カンパニア(campaign)」に由来する政治運動の寄付を意味する言葉だが、日本では裏社会における資金調達の仕組みを表す用語としても使われる。
暴力団組織においては「上納金」とも呼ばれ、組織を維持するための重要な資金源のひとつとなっている。
語源
「カンパ」は英語の「campaign(キャンペーン)」やロシア語の「kampaniya」に由来するとされ、元々は政治運動や社会運動における資金援助・寄付を意味する言葉であった。日本では戦後の学生運動や労働運動において「カンパをお願いします」という形で広く使われるようになった。
暴力団用語としての「カンパ」は、この政治運動用語から転用されたものと考えられる。
暴力団におけるカンパ
上納の仕組み
暴力団組織では、下部組織(二次団体・三次団体)が上部組織(一次団体・親分)に対して定期的に資金を上納する慣習がある。この上納金を「カンパ」と呼ぶことがある。
| 上納の種類 | 内容 |
|---|---|
| 月々のカンパ | 毎月一定額を上部組織に収める |
| 盆・暮れのカンパ | お盆・年末に特別に収める献金 |
| 出所祝いのカンパ | 幹部の出所時に集める祝い金 |
| 襲名披露のカンパ | 新しい組長就任時の祝儀 |
シノギとカンパ
構成員は各自の「シノギ(稼ぎ)」から一定額をカンパとして上納する義務がある。シノギの内容は、飲食店の経営、建設業への口利き、賭博の胴元、薬物の密売など多岐にわたる。
カンパを納められない構成員は組織内での立場が悪くなり、除籍や破門の対象となることもある。
法的問題
暴力団対策法の施行以降、暴力団の資金源対策が強化されており、上納金の流れを追跡して組織の実態解明に役立てる捜査が行われている。また、暴力団員からの金銭受領は、状況によっては犯罪収益移転防止法や組織犯罪処罰法に抵触する可能性がある。
近年は、暴力団排除条例により企業が暴力団に利益供与することが禁じられており、暴力団の資金源は縮小傾向にある。
政治・社会運動のカンパ
本来の意味でのカンパ(政治運動・社会運動への寄付)は、民主主義社会において重要な政治参加の手段である。選挙運動・市民運動・NPO活動などにおいて、支援者が資金を提供することを「カンパする」と表現する。
これらの合法的なカンパと、暴力団組織の上納金は本質的に異なるものである。