用語
規律法度組織破門制裁

/おきて/

組織内で定められた規律・法度。破れば破門や絶縁などの厳しい処分が下される。

DATE: 2024/1/1

概要

掟(おきて)とは、ヤクザ暴力団組織において定められた内部規律・法度の総称である。成文化されたものから口伝で受け継がれる不文律まで様々な形態があり、構成員は入門(を受ける)時点でこれらの遵守を誓約する。掟に違反した者には破門絶縁・除籍といった厳しい処分が下される。

国家の法律とは別に独自の秩序体系を持つ点が、裏社会の組織を特徴づける要素の一つである。

掟の歴史的背景

ヤクザ組織の掟の源流は、江戸時代の博徒集団や的屋(てきや)の仲間内の取り決めにまで遡る。当時は「仲間の決まり事」として口頭で伝えられ、違反者には村八分的な排除が行われた。

明治期以降、組織が大規模化するにつれ、掟も体系化されていった。特に昭和期の大規模組織では、「組の綱領」として文書化されるケースも見られた。有名な例として、山口組の「綱領五か条」がある。

主な掟の内容

組織によって細部は異なるが、多くの組織に共通する掟として以下のようなものがある:

掟の種類 内容
上命下服 上位者の命令には絶対服従する
密告禁止 組織の情報を警察や外部に漏らさない
薬物禁止 覚醒剤等の使用・密売の禁止(組織による)
一般人への不干渉 堅気に手を出さない
他組との無断交渉禁止 組の許可なく他組織と接触しない
仁義の遵守 仁義を欠く行為をしない

掟破りへの処分

掟に違反した場合の処分は、違反の重大度に応じて段階的に定められている:

  • 謹慎 — 一定期間、組の活動への参加を禁じられる
  • 除籍 — 組員としての籍を剥奪される(比較的軽い)
  • 破門 — 組との関係を断たれる。他組織への加入は可能な場合がある
  • 絶縁 — 裏社会全体から追放される最も重い処分
  • 身体的制裁指詰めや暴行を伴うケースもある

処分の決定は組長幹部会議によって行われ、当事者に弁明の機会が与えられることもあるが、最終的には親分の裁定が絶対とされる。

掟と法律の関係

暴力団の掟は当然ながら国家の法律に優越するものではない。掟に基づく制裁行為(暴行・脅迫・監禁など)は刑法上の犯罪行為に該当する。暴力団対策法(1992年施行)をはじめとする各種法令の整備により、掟に基づく威圧行為や制裁行為は法的規制の対象となっている。

関連用語

  • 破門 — 掟破りに対する重い処分
  • 絶縁 — 裏社会からの完全追放
  • 仁義 — 掟の根底にある倫理観
  • 組長 — 掟の最終裁定者
  • 親分子分 — 掟を支える上下関係の構造